1次試験の勉強方法(4)運営管理

中小企業診断士

このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。

今回は一次試験の科目「運営管理」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介します。

「運営管理」の概要

二日間にわたる1次試験のうち、一日目の第4科目である「運営管理」。なぜかこの科目だけ(オペレーション・マネジメント)という英名が付記されています。といいつつ内容はわかりにくいままなのですが、試験案内によれば大きく分けて2つの分野から出題され、主に製造業を想定した「生産管理」、主に小売業を想定した「店舗・販売管理」から構成されています。

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午後の科目のため試験時間90分で、設問も全44問と7科目中最多です。とはいえ「企業経営理論」ほど文章が難解ではないため、1問にかけられる時間は比較的少なくてすむはずです。一日目の最後の科目なので、それまでの3科目の疲労が肉体的・精神的に溜まって集中力が低下する恐れもありますが…。

1次試験の勉強方法(3)企業経営理論
このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。 今回は一次試験の科目「企業経営理論」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介...

「運営管理」の特徴

おおむね科目全体を通じて、用語の意味そのものを問う問題が多いです。「企業経営理論」や「経営法務」のように、もっともらしい難解な文章から誤りを見つけなければいけない設問はほとんどありません。

そのため、とにかく記憶に定着させることが得点アップに直結しやすいです。とはいえ試験範囲は広いので、1次試験の直前で詰め込む前に、ざっと目を通して概要をつかんでおくのが大切です。後述のように「生産管理」パートに不安のある人ならなおさらです。

製造業の経験が生かせる「生産管理」パート

店舗・販売管理」パートは主に小売業に関連した知識で、用語の意味やイメージなどが日常生活に即したものばかりで理解しやすく、またスーパーマーケットなどに行くと実際の手法が比較的簡単に実感できます。合格者にとってはあまり差のつかない分野といえるでしょう。

一方で「生産管理」パートは主に製造業に関連した知識で、そのへんの工場などに行っても中を見せてもらえるわけではありません。そのため手法などがイメージしにくく、製造業の経験がない人にとっては覚えるのに苦労する範囲です。

製造業にある程度明るい人

製造業に勤める人、製造業をコンサルティングしたことのある人なら「生産管理」パートはイメージしやすいはずです。また品質管理検定の資格を保有する人も、すでに基本的知識は持っていることになります。

そういった人は「運営管理」において一歩前に出ているので、比較的とっつきやすい「店舗・販売管理」パートの知識も覚えたうえで、早々に問題演習・過去問演習に移ることをおすすめします。自分にとって得意科目になりそうだと思ったらインプットをさらに深堀りさせればよいし、あるいは合格基準を確保した時点で苦手科目に勉強時間を振り分けてもよいです。

製造業に明るくない人

製造業にどのような形でも触れた経験のない人は、まずは図表入りのテキストや専門書で生産工程や生産管理をイメージできるようになる必要があるかもしれません。

「店舗・販売管理」パートを得点源とすることは共通の前提となりますが、科目全体を通じて合格基準に余裕をもって到達させるか足切りを確実に回避するかは、やはり「生産管理」パートでの理解度がカギになると思います。

私流「運営管理」の勉強方法

テキスト

他の暗記科目と同様に、知識の習得(インプット)はTACのポケットブックだけにしました。最大の理由はもちろん安いためです。用語の説明は限られるとは言え、「運営管理」の知識はそこまで難解なものはほとんどなく、後述する問題集の解説と合わせれば、用語の基本的な意味は確認できます。製造業技術職として勤めており、「生産管理」パートの知識がある程度身近であることからも、純粋なインプットはあまり重視しませんでした

ただ問題演習に至るまでのインプット段階では、インターネット検索レベルで大丈夫ながら用語の意味を調べる作業もときどき必要となります。その作業が煩わしいようであれば、スピードテキストのような本格的なテキストを買うほうが楽かもしれません。また先に述べた通り、生産工程や生産管理のイメージを掴む段階からスタートしたい人にはテキストが必要と思われます。

問題集

純粋なインプットをあまり重視しなかった代わりに、問題演習(アウトプット)には早期に着手しました。暗記科目といえどインプットだけでは知識の定着には不十分ですし、理解度を把握することで記憶への定着度合いを測り、足りなければインプットに戻るといった次の手を打つためにも必要です。

TACのスピード問題集は各設問が本試験に近い形式となっており、(どこの問題集でもそうですが)過去問演習に先立つ問題演習としては適切です。

問題演習では正答を当てることは手段であり目的ではありません。なぜその正答にたどり着いたか、なぜ他の選択肢は誤答なのかまで、答えられるようになってこそ本当に理解していると言える状態です。

過去問

問題集と同じく知識の定着度合いを測ることに加え、本試験の問題形式を知るうえでも過去問演習は必須です。問題集を1周したら腕試しに解いてみることをおすすめします。

コスト最優先なら診断協会のホームページに載っている問題と解答だけで頑張るのですが、それだと正答や誤答の理由まではわかりません。さすがに不安があったので、私はTACの過去問題集で解説を見ながら理解を深めることとしました。

学習スケジュール

「運営管理」の学習は、7科目のうち4番目、「企業経営理論」や「財務・会計」と同じく2020年4月に開始しました。私の勤める会社がコロナ禍で出社制限措置を取ったころで、技術職であり出社しないと業務が進まないため、テレワーク中は非常に暇でした。それもあり、中小企業診断士試験の勉強を開始(再開)することにしました。

一次試験の1年4ヶ月ほど前に開始しましたが、初めの約5ヶ月(〜12月)で問題集を4周、その後1月から本試験までの約7ヶ月で過去問5年分を3周にとどまりました。

直接的な理由は周回数を他の科目と合わせたというだけですが、暗記科目ながら苦手意識はなく、特別に力を入れなくても合格基準には十分到達すると考えました。

私の試験結果は…

以上のような勉強方法により、私が令和3年度の一次試験「運営管理」であげた得点は…

69点

合格基準から少し余裕は持てました。細分化して見ると生産管理パートより店舗・販売管理パートのほうが正答率が高いという結果に。とはいえ製造業技術職として勤めて得た生産管理の知識が、本科目のとっつきやすさにつながったのは間違いありません。

なお令和3年度の科目合格率は18.5%と、例年と比較して高くも低くもない値でした。勉強した人がちゃんと報われるという意味で、ちょうどいい難易度だったようですね。

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