令和6年度から実務補習はどう変わる?

中小企業診断士

このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。

中小企業診断士の実務補習について、令和6年度からコースが変更されます。

実務補習の概要

そもそも中小企業診断士になるには、第1次試験・第2次試験に合格するだけでは足りません。第2次試験合格から3年以内に、合計で15日以上、実務に従事する必要があります。

本業がコンサルタントであったり、中小企業に勤めたりでもしない限り、実務先を探すことは大変です。そこで、一年のうち決まった時期に開催され、中小企業診断協会が所属診断士を指導員として行われるのが「実務補習」です。これに申し込むことで、実務先に困ることは無くなります。この実務補習は、特に東京地区や大阪地区では非常に倍率が高く争奪戦になることも大きな特徴ですが…。

私が令和3年度の冬に参加した実務補習の体験談は、以下リンク先からどうぞ。

はじめての実務補習
中小企業診断士の登録に向けた最後のハードル、実務補習が始まりました。実務補習の概要と、第1クールの感想を紹介します。
実務補習2回目の感想~本当の始まり
中小企業診断士の登録に向けた実務補習15日間コース、真ん中の第2クールの感想です。第1クールとは異なり、あらゆる意味で本格的な経営診断の経験となりました。先生のキャラも大変に濃かった。
実務補習3回目の感想~スタートライン
中小企業診断士の登録に向けた実務補習、長かった15日間コースもついに最終の第3クールが終わりました。感想を紹介します。ここがゴールではなく、あくまでスタートラインと気を引き締めます。

変更内容

中小企業診断協会のホームページに、「令和6年度からの中小企業診断士実務補習に関するお知らせ」(※PDF)というお知らせが出ています。それによると令和6年度から段階的に、現在の5日間コースを廃止し、8日間コースを新設するようです。また15日間コースで診断する中小企業数が3社から2社になり、8日間コースを2つつなげたようなイメージに変わります。

変更の背景には、以下の通り対象中小企業者数の規定を緩和して、一社あたりにかける時間を増やして深堀りしようという意図があるようです。制度改正自体は令和4年に行われていましたが、実際に変更となるのは令和6年度が最初となります。

3.現行実務補習の対象企業数の見直し

登録実務補習機関が行う現行の実務補習(指導者及びグループによる実務補習)における「診断又は助言を行う対象中小企業者数」について、より丁寧に実践的なカリキュラム構成のもとで実務を学べるよう「3社以上」を「2社以上」に改定することとします。

令和4年度からの中小企業診断士制度の一部改正について、中小企業庁

同じ文書には、合格後に実務補習のみで登録申請可能な受講パターンも載っています。「5日間×2回+8日間×1回」や「5日間×1回+8日間×2回」は受講日数が15日よりもけっこう余るので、ちょっとコスパが悪い気はします…。2社でなく3社も経験できるという考え方もありますが、そこまで考えなくても診断士登録後に経験を積めばよいと私は思います。

現在の実務補習の流れ

現在の実務補習の流れは、大まかには以下の通りです。

日付曜日主な内容
1日目金曜日(木曜日※1メンバー顔合わせ
事業者様のヒアリング
2日目土曜日(金曜日※1診断・助言の方向性決定
各自資料作成
3日目土曜日(日曜日※2個別作成資料の共有
4日目日曜日(月曜日※2製本、発表資料の作成
5日目月曜日(火曜日※2事業者様への発表会
協会への書類提出
※1 名古屋地区のみ木曜日始まり
※2 5日目の月曜日が祝日の場合は一日ずつ後ろ倒し

特に1日目は大変です。メンバーの顔合わせと事業者様のヒアリングという重要タスクが詰まっており、ついでにヒアリング後のまとめもする場合があります。

新設される8日間コースや新しい15日間コースだと、ヒアリング前の準備をもう一日取って、1日目を二つに分けるイメージなのかもしれません。ひとまず、8日間コースが始まる令和6年度の夏の実務補習の案内を待つ必要がありそうです。

新しいコースで感じたこと

受講者のメリット予想

一つの事業者様にかけられる日数が長くなるので、診断・助言がより充実することが考えられます。あるいは一日あたりの作業量が少なくなって仕事と両立しやすくなるかもしれません。

受講者のデメリット予想

もしトータルの期間が変わらずに日数だけ増えるとすると、それだけ平日の日数が増えるということなので、仕事を多く休まなければいけなくなることにつながります。

民間の実務従事はどうなる?

実務ポイントを貯める方法として実務補習のほかに、民間のコンサルティング会社などが実施する実務従事もあります。実務補習が5日間単位なことにしたがって、実務従事の日数も5日間や10日間などとなっています。となると、実務補習がおおむね8日間単位になったあと、実務従事がそれに追随するかは気になるところです。

まとめ

令和6年度から段階的に変更される実務補習について紹介してきました。一社あたりにかけられる日数が多くなるので、充実度は増す方向になりそうです。実施時期が近くなったところで、詳細の実施要領が診断協会より発表されると思いますので、それも見ながら活用方法などを考えていきましょう。

ちなみに、令和6年2月・3月に行われる実務補習は令和5年度の分なので、これまで同様に5日間・15日間コースのはずです。

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