このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。
今回は、未熟ながら実務補習を3回経験した私から、実務補習で得られるもの、気をつけなければならない準備と心得を紹介します。実務補習を受ける予定の方はぜひ参考にしてみてください。
実務補習で得られるもの
まずは、実務補習で特に得られるものが大きい2点を紹介します。意識して実務補習に臨むと、さらに効果的かもしれません。
ヒアリングを経験する貴重な機会
中小企業診断士の2次試験では与件文として与えられた診断先企業の情報をもとに経営診断・助言をしていく能力が問われます。実務補習でも経営診断・助言する目的は変わりませんが、それにあたり必要となる診断先企業の情報は、実際に先方の社長や社員にヒアリングして収集することとなります。
このヒアリングのスキルは、たとえば営業職として働いている方なら既にお持ちかもしれませんが、社外との業務上の関わりが少ない職種だと苦労する可能性が高いです。もっとも、指導員の先生が助け舟を出してくれるので、実務補習中に成長していくことができます。
チームで診断業務に取り組める機会
実務補習では、4〜6人ほどのチームを組み、経営・営業・労務・生産・財務のように各戦略で担当分けして進めていきます。合格直後で経験の乏しい時期は特に、一つの担当に集中できる環境はありがたかったです。
担当は事前に先生に希望を出すと、可能な範囲で考慮してくれますので、得意な分野で実力を発揮するのもいいですし、苦手な分野で自身の現状を把握しつつ成長の機会とするのもいいでしょう。
私は1回目の実務補習で比較的得意な財務戦略、3回目の実務補習では馴染みのなかったリーダー役(経営戦略)を希望して担当しました。いま振り返っても未熟な結果に終わったと思うのですが、先生やメンバーに助けてもらえるので、非常に良い経験となりました。
気をつけること
続いて、実務補習を受ける際に、気をつけなければならないことを紹介します。
試験勉強で得た知識が生かせるときも生かせないときもある
1次試験の「企業経営理論」や2次試験の勉強で得た知識は、実務補習の経営診断や助言において確実に役立ちます。けれども時には生かせないこともあります。知識は抽象的であることが多いため、診断先企業の実情に合わせた具体的な施策を提言する際には、完璧には当てはまらなかったり、すぐに実行できなかったりすることがありました。
このような2次試験と診断実務の違いについては、以下の記事でも詳しく挙げています。
最後は自分でやるしかない
前述の通り実務補習はチームを組んで進めます。診断先企業の大枠の経営診断や提言の方向性はメンバーで話し合って決めますが、各パートの具体的な内容を考えたり、報告資料・発表資料を作成したりするのは、当然ですが各担当が一人で行います。ここで作業をサボったり締切を守らなかったりしても、誰も助けてくれません。自分の首を絞めるだけです。仕事との両立は大変かと思いますが、責任を持って取り組みましょう。
もちろん周りの意見をもらうことはどんどんやるべきなので、コミュニケーションは積極的に取りましょう。責任を持って取り組むことと一人で抱え込むことは全く異なります。
ノートパソコンは必須
実務補習の前に必要な、唯一にして最大の準備です。
診断先企業に提出する報告書や、報告会で使用する発表資料は、それぞれWordやPowerPointで電子ファイルとして作成します。しかも昼間の実務補習中にも資料作成の時間が割り当てられます。
したがって実務補習にはノートパソコン持参必須です。忘れると共有された資料を閲覧したりメモを取ったりも含めて昼間は戦力外となります。そのぶん夜にまとめて作業すると考えると…恐ろしいですよね。
なお、スペックが申し分なければタブレットPCでもよいと思いますが、私は持っていたタブレットPCが貧弱だったのでノートパソコンを準備して参戦しました。また、診断先に向けた発表会ではプロジェクターで資料を投影することが基本なので、必須ではないですがHDMIポートのついたパソコンがおすすめです。
実務補習でこそ得られるものがある
以上、実務補習で得られるもの、そして準備と心得を紹介しました。
実務補習は試験合格して間もないうちから経営診断・助言の一体的なプロセスを学べる絶好の機会です。知り合いの社長さんにお願いして実務従事だけで済ませようと考えている方、5日間だけでも実務補習に参加しませんか?
なお民間企業が実施する実務従事事業であれば、同じようなスケジュールで行われるようなので、実務補習と同様の経験が得られると思います。
最後に私の実務補習体験談を紹介します。こちらもぜひご覧ください。良いことも悪いこともざっくばらんに書いています。
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