中小企業診断士・1次試験模試で高得点を取るよりも大切なこと&本試験3ヶ月前の得点を公開

中小企業診断士

このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。

今回は、中小企業診断士・1次試験の模試が本試験に向けてどう役立ったかを、私の体験から得点とともに紹介します。

1次試験模試から何を学ぶか?

そもそもなぜ1次試験の模試を受けるのでしょうか?大きな目的は2つあります。

本試験の形式に慣れ、雰囲気を味わうため

1次試験を経験したことがない人にとっては、本試験の雰囲気を少しでも味わっておくことで、自分が試験でどれだけ緊張しやすいかを知ることができたり、前日や当日の時間の使い方をシミュレーションすることができたりします。この目的ももちろん重要ですが、もし会場での受験が叶わずに自宅受験となった場合でも、より重要な次の目的から、模試を受ける意味は十分にあります。

自らの得点力の現在地を知り、本試験までの学習を加速したり見直したりするため

自分にとってどの科目の学習が十分に進んでいるかどの科目の学習が不十分で今後力を入れていくか、客観的に判断するために模試は非常に有効です。「客観的に」というのが重要でして、自分ではもっと得点を取れると思っていた科目が実は理解が不十分であったというようなことを気づかせてくれる点で、特に効果的なツールとなってくれるんです。

そして模試といえど試験ではあるので、高得点を取りたいという思いは誰しも抱くものだと思いますが、模試で高得点を取ることは目的ではありません本試験で高得点を取ることこそが目標であり、模試はその手段でしかないのです。ですから模試で得点が低く合格基準に届かなかったからといって、本試験では一部科目の合格だけ狙いにいくとか、受験自体やめてしまうとか、後ろ向きな計画変更はやめるべきです(もちろん得点の低さの程度にもよりますが)。

概して、高得点の科目よりも低得点の科目のほうが時間対効果が高い(同じ学習時間をかけてもより得点の伸びの期待値が大きい)ため、高得点科目への学習時間を低得点科目へと配分することで、学習効率を高く保つことができます。得意科目のほうが学習していて楽しいので時間をかけてしまうかもしれませんが、苦しくても苦手科目に時間を振り分けましょう

私の1次試験模試の得点

私は令和3年5月下旬にTACの1次公開模試を自宅で受験しました。本試験さながらの緊張感を味わうということはできませんでしたが、その後の学習の方針を決めるのに大きな意義がありました。その際の各科目の得点は以下の通りです。なお令和3年度の1次試験は8月21日(土)・22日(日)でしたので、3ヶ月を切っていたということになります。

経済学・経済政策

得点:72(平均点:45.53)

「経済学・経済政策」については、ミクロ経済学もマクロ経済学もおおむね解きやすく、得意科目という意識がありましたが、模試の得点もそれを反映する結果となりました。本試験までは過去問をたまに解くくらいで、他の科目に時間をかけることとしました。

1次試験の勉強方法(1)経済学・経済政策
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財務・会計

得点:76(平均点:48.95)

「財務・会計」は簿記の経験を生かすため得意科目にしたいと取り組んでいたこともあり、高得点が取れました。本試験までは過去問をたまに解くくらいで、他の科目に時間をかけることとしました。

診断士合格の裏に簿記検定合格あり
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1次試験の勉強方法(2)財務・会計
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企業経営理論

得点:34(平均点:34.39)

この科目が一番の誤算でした。問題集や過去問で難解な文章には慣れたつもりでしたし、それなりに知識も頭に入れたつもりでしたので、60点くらいいけるかな?と受験前は思っていましたが、その目論見が甘いことを思い知らされました。受験後は、なんとなくしか理解していなかった用語を詳しく調べて知識を深化させたり、選択肢の正誤を判断するプロセスを自分なりに確立したりして、量・質ともに重点的に取り組みました。

1次試験の勉強方法(3)企業経営理論
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運営管理

得点:62(平均点:48.54)

製造業に勤務して得た知識も生かせるとあって、「運営管理」は得点源にしたいなと漠然と考えていましたが、実際は合格基準ぎりぎりという現状を模試で知ることができました。ただ、すでに「経済学・経済政策」「財務・会計」という得点源があること、得点の低かった「企業経営理論」や「経営法務」を優先したかったことから、受験後も受験前と変わらないペースを保ち、本試験では少しですが得点を伸ばすことができました。

1次試験の勉強方法(4)運営管理
1次試験の科目「運営管理」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介します。製造業の経験があれば生産管理パートで一歩前からスタートでき、合格基準にも乗せやすい科目です。製造業の経験がなくとも、理解しやすい販売管理パートで得点を積み重ねることはできます。

経営法務

得点:36(平均点:42.43)

「経営法務」は苦手な暗記科目で、まずは足切り回避だけでも達成したい科目でしたが、模試で見事に足切りに遭いました。暗記が定着していませんし、設問の難解な文章にも苦しめられました。受験後は苦しい思いを常に抱えながら、インプットからやり直すなど最優先で取り組みました。おかげで本試験までには確実に足切り回避が可能なレベルには到達しました(後述の通り、本試験では高得点でしたがバグです)。

1次試験の勉強方法(5)経営法務
1次試験の科目「経営法務」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介します。苦手意識が強く、モチベーション維持のため足切り回避という短期目標からはじめました。科目合格制度を見越して、適度に手を抜けるのが独学の強みです。

経営情報システム

得点:56(平均点:54.81)

日常や仕事でパソコンを使う際に得た程度の知識である程度は解けるので、暗記科目のわりにそこまで苦手意識はありませんでした。ただ世の中の受験生も同じだったようで、平均点は7科目で最高であり、したがって私の得点は全く高くなく(そもそも合格基準未満ですし)、むしろ将来の合格者の中では低いほうだと思いました。とはいえ得点源にまでするつもりはなく、受験前後でペースを変えることはしませんでした。

1次試験の勉強方法(6)経営情報システム
1次試験の科目「経営情報システム」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介します。パソコンやプログラムの見慣れない用語ばかりですが、用語の意味を問う問題が主なので、覚えてしまえば十分に得点が期待できます。

中小企業経営・中小企業政策

得点:63(平均点:52.07)

暗記科目の一つであり得点源にはできないと考えつつ、「経営法務」ほど苦手でもない印象だったため、60点前後を狙った科目です。模試でも合格基準はクリアしており、(直前期だけもう一度がんばればいいか)という気持ちでいました。

ただし今から振り返ると、特に「中小企業経営」パートでは雰囲気だけで答えて正解した問題もいくつかあり、確実に科目合格できるというほどではありませんでした。7科目の中で唯一、本試験で得点の上がらなかった科目であり、模試で得るべきだった気づきを得られなかった(得ようとしなかった)失敗例と言えます。

1次試験の勉強方法(7)中小企業経営・中小企業政策
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まとめ

得意科目としたい「経済学・経済政策」「財務・会計」は高得点が取れた一方、納得の「経営法務」だけでなく想定外だった「企業経営理論」での足切りが響き、総得点は399点、不合格レベルとなりました。ただ、これだけ凹凸がはっきりしていると優先順位を付けやすかったので、その後の苦手科目の底上げにつなげることができました。1次試験については模試を受験してよかったです。

ちなみに、私は1次試験の模試を一回しか受けませんでした。各科目の立ち位置と合格までの距離感は一回の受験だけで測ることができますし、軌道修正を図るなら本試験まである程度期間が残っている時期がよいと考えたためです。模試も安くないので、引き続き過去問を回すほうがコスパもよいですね。

最後に、今回紹介した模試と本試験の得点比較をどうぞ。「企業経営理論」はともかく、先にも述べましたが「経営法務」の大幅アップはバグですね。最後まで苦手科目でした。

科目模試
(5月)
本試験
(8月)
経済学・経済政策7284
財務・会計7680
企業経営理論3471
運営管理6269
経営法務3676
経営情報システム5676
中小企業経営・
中小企業政策
6363

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