1次試験の勉強方法(2)財務・会計

中小企業診断士

このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。

今回は一次試験の科目「財務・会計」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介します。

「財務・会計」の概要

二日間にわたる一次試験のうち、一日目の第二科目となる「財務・会計」。
基本知識と言える簿記や企業会計から、キャッシュフローや経営分析のようなより財務管理に近いもの、さらに投資決定や企業価値の算出といった経営戦略にリンクする知識まで、幅広い知識が要求されます。

全25問ですが計算を伴う問題も多く、試験時間60分はあっという間に過ぎていきます。
見直しの時間が取りにくい科目かもしれません。
知識だけで回答できる問題を速やかに済ませ、計算問題の時間を捻出しましょう。

お昼の時間帯(令和3年度は11:30~12:30)に行われるため、お腹がすきます
だからといって朝からたくさん食べると緊張もあり体調不良につながるという方も多いと思いますので、休み時間にチョコレートなどを食べて糖分を取っておくことがおすすめです。

私流「財務・会計」の勉強方法

テキスト

「財務・会計」は本格的なテキストを使用しましょう
さすがにポケットブックだけで知識の習得(インプット)をすませるのは厳しいです。
なぜなら、単なる暗記だけで解ける問題が少数で、知識をしっかりと理解しなければならない問題がほとんどだからです。

ここで、簿記検定の習得レベルによっては、そのテキストがそのまま使える可能性があります。
新しいテキストを買うにも、まとまったお金がいりますからね。
できるところは節約しましょう。

私のように日商簿記検定1級(もしくは相当する他の簿記検定)に合格していれば、その勉強に使用したテキストの情報量で十分なので、「財務・会計」のためのテキストを新たに買う必要はありません。
というか十分すぎるほど1級の内容は膨大で、試験範囲だけを選ぶために探す余計な手間がかかります。
むしろ問題集や過去問の演習から始め、わからないところが出てくればテキストの該当部分を読むスタイルが良いと思います。

1級とは言わずとも2級相当の合格経験もしくは知識があれば、やはり使用したテキストをそのまま流用することで、簿記・会計・原価計算などの理解には十分に足ります。
1級相当の知識も試験範囲に含まれますが、キャッシュフローは「財務・会計」ではあまり出てきませんし、投資決定や企業価値の算出も難しい計算ではないので、「財務・会計」を合格基準に乗せるためだけであれば、問題集の解説やTACのポケットブックで補完可能です。

ただし、二次試験の科目の一つである「事例Ⅳ」では、キャッシュフローや投資決定、企業価値の算出が頻出論点であり、単なる計算方法ではなく本質的な理解が必要です。
そのため、同年度に二次試験の合格まで目指すのであれば、一次試験の勉強のうちからテキストで重点的に理解しておくのが望ましいでしょう。

そして未習の場合はもちろん、3級相当でも心もとないので、テキストが必須となります。

以下がまとめの表になります。

知識レベル
(日商簿記検定)
二次試験インプット
1級相当どちらでも1級のテキストで十分(すぎる)
2級相当翌年度以降合格でよい2級のテキストで十分
2級相当同年度合格したい「財務・会計」用テキスト推奨
3級相当/未習どちらでも「財務・会計」用テキスト必須

問題集

テキストによるインプットに触れてきましたが、それだけでは気持ちがダレやすいです。こまめな問題演習(アウトプット)によって理解度を把握し、さらに正解を重ねることでモチベーションを維持することが欠かせません。

その際、これまでの本試験を網羅した幅広い範囲の問題に触れるためには、過去問だけでない問題集の活用が重要になります。
私はTACのスピード問題集を使用しました。
一次試験までに4周回しました。

過去問

たとえ日商簿記検定1級相当の合格経験もしくは知識があっても、問題形式が異なるので、「財務・会計」の過去問を知り実際に解く過去問演習は必須です。
私はやはりTACの過去問題集を使用しました。

最終的には直近5年分の過去問を3周回しました。

学習スケジュール

「財務・会計」の学習は、「経済学・経済政策」に次いで2番目、2020年4月に開始しました。
私の勤める会社がコロナ禍で出社制限措置を取ったころで、技術職であり出社しないと業務が進まないため、テレワーク中は非常に暇でした。
それもあり、中小企業診断士試験の勉強を開始(再開)することにしました。

一次試験の1年4ヶ月ほど前に開始しましたが、先にも述べた通り問題集は4周、過去問は3周しか回していません。
というのも勉強して改めて得意科目であるとわかったので、他の科目を優先し、「財務・会計」は忘れない程度にときどき触れておけばよいと考えたためです。

「財務・会計」は暗記科目ではなく手を動かして正解を導く科目です。繰り返しになりますが、一気にインプットするのではなく、こまめにアウトプットを行うことで、理解度の把握かつモチベーションの維持を図ります。

簿記検定も合わせて受けたほうがいいの?

私が簿記検定合格者なので絡めて勉強方法を紹介しましたが、簿記検定も合わせて受けるかどうかで言うと、どちらでもいいです。

簿記検定と「財務・会計」の範囲はやや異なるので、片方だけやるよりも両方やるほうが時間はかかることは間違いありません。

ただ簿記検定の合格が「財務・会計」の勉強の弾みになる、そんなふうにモチベーションを重視する方はぜひ受けてみてください。
日商簿記検定2級(もしくは全経簿記検定1級)が最も多くの範囲で重なっています。
ただし、2級に合格するには「財務・会計」のテキストだけだと厳しいので、2級のテキスト・問題集を別に用意する必要があることに注意が必要です。

日商簿記検定1級(もしくは全経簿記検定上級)は沼にハマるのでご利用は計画的に。

診断士合格の裏に簿記検定合格あり
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私の試験結果は…

以上のような勉強方法により、私が令和3年度の一次試験「財務・会計」であげた得点は…

80点
※自己採点

科目合格率は22.4%と近年からは多くなったので、やや易化したのかもしれません。

不正解5問のうち2問は、過去問では見たことない内容だったので、しょうがないです。
ただ残り3問は落ち着いて考えれば正解できた問題であり、反省です。
まあ見たことない内容でも正解できた問題もあったので、全体で見れば妥当な得点でした。

簿記検定の知識がある状態での受験記になるため、参考になる方が多くないかもしれず申し訳ないのですが、やはり重点的なインプットによる十分な理解こまめなアウトプットによる理解度の把握・モチベーションの維持が無いと合格基準への到達は難しいでしょうね。

一次試験の半年前くらいには学習を開始しておきたい科目です。

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