このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。
今回は、私が合格した令和3年度の中小企業診断士2次試験筆記試験のうち、事例Ⅲの答案を紹介します。
事例Ⅲの概要
「事例Ⅲ」は2次試験の4科目のうち3番目の科目です。他の3科目と例外なく、試験時間80分の論述問題です。昼ごはんを食べてエネルギー全開で午後もがんばりましょう。
試験案内によれば、「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」です。1次試験の「運営管理」における生産管理が具体的な施策では最もリンクしますが、もちろん経営課題の把握など「企業経営理論」の出題範囲も含まれます。
与件文の傾向としては、前半に企業の概要やSWOTに関わる現状の説明があり、後半に生産面や技術面の具体的な説明となっていることが多いです。設問が経営課題と生産・技術課題のどちらを問いているのかによって主に読む段落を分けることができますが、前半と後半がどのようにリンクしているかはきちんと把握するよう注意が必要です。
私の再現答案
それでは私の再現答案です。なお字数制限を1字超えたものもありますが、最後のマスに文字と句点を一緒に入れたためです。協会から明確に公表されているわけではありませんが、認められる表記と考えられています。
問題は診断協会のホームページ、もしくは各出版社の過去問題集からどうぞ。
第1問(配点20点)
(a)「一貫受託生産体制、手作り感のある高級仕様の自社ブランド品。」(29字) (b)「欠品や過剰在庫の発生、熟練職人の高齢化と退職予定、新製品の企画・開発経験が少ない。」(41字)
(a)で熟練の技術を入れ忘れました。(b)で高齢化・退職予定として弱みに挙げたので、かぶるのを無意識に避けてしまったのかもしれません。
第2問(配点30点)
①
(a)「生産管理体制を改善し生産計画を効率化する。」(21字)
(b)「全工程を通じた生産計画の作成と立案および見直しの短サイクル化で受注内容変更による影響を抑制する。注文・修理受付や出荷指示の担当者を配置し生産管理の余力を創出する。」(81字)
②
(a)「在庫品を低減してコストを削減する。」(17字)
(b)「自社ブランド製品を優先した縫製工程を見直し、職人のスキルをOJTや教育で平準化して、受託生産品の生産効率化と各職人の稼働率の平準化を図る。」(81字)
ここでかなり苦しみました。「効率化を進めるうえで」とあるので生産計画に関することは1番目に挙げましたが、もう1つが思いつかず、とりあえずコスト削減としました。弱みには挙げていなかったですし、そもそも効率化ではないという…。
第3問(配点20点)
「製品企画面の課題は、製品デザイン部門の従業員の研修による企画・開発力の向上、オンライン販売情報の活用の強化である。生産面の課題は、受注予測精度の向上による欠品や過剰在庫の防止、縫製工程における作業の細分化と分担による負荷の軽減である。」(117字)
設問の要求自体は、与件文に散りばめられた問題点の解決を課題としてまとめることで一定程度達成できました。ただ次の第4問も自社ブランド製品で共通しているので、第4問の施策にリンクする課題だとより良かったです。
第4問(配点30点)
「若手職人も含めた分業化と標準化を進めて自社ブランド製品のアイテム数を増やして売上を向上させる。顧客との継続的な関係性を必要とするコンセプトであり長期視点での技術継承が必要なためである。対応として、若手社員の全工程を通じた計画的な配置転換により製造全体の技術習熟を促す。」(134字)
今後の製品戦略を2択から選択させる問題でした。これって選択肢自体で加点に差はあったのでしょうか?製品は熟練の高級感ある手作りが良い、でも高齢化が進んでいるので技術継承は必要…。私は後者をどうしても前面に押し出したかったので若手職人の選択肢にしましたが、「経営資源を有効に活用し」とあるので、熟練職人の手作りで高級感を出したうえで技術継承を進める、というのが最も良かったかもしれません。私も頭の中では高級感で差別化と思っていたんですが!と言っても実際には解答に書いていないので言い訳ですね。
得点と振り返り
筆記試験を突破した人のもとに協会から届くお手紙には、口述試験の案内しか入っていません。協会に得点の開示を請求すれば、一ヶ月ほど期間はかかりますが科目ごとの得点を返送してくれます。
私が令和3年度の2次試験筆記試験・事例Ⅲで挙げた得点は…
64点!
第2問で2個のうち1個しか思いつかなかったり、第4問で若手職人を選んだりと、試験後の手ごたえは芳しくないものでした。製造業で技術職の私は、事例Ⅲでそれなりに点が取れるだろうという無意識な甘い目論見があったと反省します。そのため、解答パターンの引き出しを多く持っておらず、冷静さを欠いて出題者の意図に沿えなかったことで得点が伸びなかったと振り返ります。
よろしければ、他の科目も見てくださいね。
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