このブログでは、ごく普通の30代男性会社員が9ヶ月と長期の育休取得し、 その期間も生かして独学で中小企業診断士試験に合格した体験を発信しています。
今回は1次試験の科目「経営法務」の独学・無理なし・コスパ良しな勉強方法を独自色強めに紹介します。
「経営法務」の概要
二日間にわたる1次試験のうち、二日目の第一科目である「経営法務」。企業経営に関する法律についての科目ということで、「会社法」「知的財産権」の割合が多く、「民法」がそれらに続きます。
午前の科目として例外なく全25問・試験時間60分です。暗記科目なので、最後の設問まで手を付けたり、見直したりする時間的余裕は生まれやすいです。楽勝だからなのか、手も足も出ないからなのかは、人によると思いますが…。
「経営法務」の合格テクニック
まずは足切り回避
暗記が苦手、しかも法律を全く知らない私にとっては、一番の苦手科目でした。専門用語がたくさん出てきて、試験でも選択肢の表現が難しく、頭から煙が出てきそうになりました。これでも法律関係の資格の中では求められる知識レベルは浅いほうと言われていて、司法書士とか行政書士とか社会保険労務士とか合格する方々には頭が上がりません。
しかも理解が進まない科目ってモチベーションが維持しきれないんですよね、本当は重点的に取り組まなければいけないのに。時間をかけてもどんどん嫌になって最後は投げ出す、となってしまうんじゃないかと。
というわけで、「経営法務」を確実に合格基準60点に乗せる自信は無かった私は、一回の受験で7科目合格を達成するために、足切り回避という現実的な方針を取ることにしました。以下の通りです。
- とにかく知識を広くインプット
- 過去問で設問に慣れたうえで消去法で正解を導く
「企業経営理論」に似ていますが、記憶しないといけない項目は「経営法務」のほうがどうしても多く、インプットも重視した形です。
まずはこれらで40点以上は絶対に死守し、慣れてきたら知識の定着度をさらに上げていき点数アップを狙います。自己責任で適度に手を抜けるのが独学の強みです。
とにかく知識を広くインプット
「経営法務」は、「法律で○○と決まっている」という知識をひたすら覚えるしかありません。しかも法律ってなぜそう決まったかがわからないので、理論的に覚えられないのも暗記が苦手な人にはつらいところです。
逆に覚えてしまいさえすれば確実に正答に近づくので、まさしく知識の的確かつ効率的なインプットにかかっています。
ここで考えたのは、知識を「深く」ではなく「広く」習得すること。先に述べた通り、法律自体の求められる知識レベルは浅いので、少しでも広い範囲の知識をまずはざっくり頭に入れていきます。はじめは細かい数字などは覚えきれなくてもしかたないので、「選択肢の用語を見たことがある」レベルまでいって問題演習の土俵に立てるようになることを目指します。
過去問で設問に慣れたうえで消去法で正解を導く
知識を完璧に覚えられれば正答を選ぶことができますが、もしそうでなくても持っている知識を総動員して、選択肢を2つか3つに絞れることが多いです。選択肢の中には「これは違うだろうな」という表現のものがあって、それを除くというテクニックでも選択肢を絞れます。このやり方に慣れるために過去問演習が重要です。
なんとかして全体の期待値を60点くらいに乗せられれば、少なくとも足切りの40点を下回る可能性は十分に低くなるはずです。
私流「経営法務」の勉強方法
テキスト
コスパ重視の私だけあって、知識の習得(インプット)はTACのポケットブックだけでした。法律自体の求められる知識レベルは浅く、ポケットブックのレベルでも十分な知識は習得できます。
本格的なテキストのほうが専門用語の解説とか充実して丁寧なのでしょうが、そのボリュームに圧倒されて心が折れないか心配だったので、私は使うのを避けました。
問題集
暗記というのは覚えた気になってしまう危険性があります。テキストだけだと見慣れた単語も実はちゃんと理解していなかったということが起こりえます。きちんと問題演習(アウトプット)も並行して理解度を把握することで、記憶への定着度合いを測ることが必要です。
TACのスピード問題集は、本試験の問題よりも知識の定着により適した問題形式となっているため、大いに役立ちました。過去問を解いて知識が不十分だと感じてからは、もう一度戻ってきたりもしました。
過去問
テキストや問題集でインプットを十分に重ねたうえで、本試験の問題形式に慣れるために、過去問演習は必須です。少しは知識を持っておかないと設問の意味が理解できませんが、一方で多くの演習を重ねて消去法の経験を積んでいくことも重要で、苦手科目であれば過去5年分を3周程度は回したいところです。
学習スケジュール
「経営法務」の学習は、7科目のうち5番目、2021年1月に開始しました。1次試験の7ヶ月ほど前です。
問題集と合わせると、おおまかに以下の通りです。
1月〜2月:問題集1周目→問題集2周目→問題集3周目
2月〜4月:過去問1周目
5月〜6月:過去問2周目→問題集4周目
7月〜8月:過去問3周目→過去問4周目
特に最初は問題集を連続して3周回し、知識の定着を重視しています。6月までは土日しか過去問を解かなかったためかなりゆっくりしていますが、7月以降は育休に入ったため過去問の進みが速くなりました。
私の試験結果は…
以上のような勉強方法により、私が令和3年度の1次試験「経営法務」であげた得点は…
76点!
※自己採点
…あれ?なんかバグっていますね。苦手科目のはずだったのに。
いちおう科目合格率が12.8%と近年までは高かったのですが、それにしても出来すぎで嬉しい誤算です。
ただ振り返ると自信を持って正解した設問はそこまで多くなかったので、最後の2択でことごとく当たりを引いたという印象です。今でも苦手科目だと思っていますし、この科目を運ではなく確実に得点源とできる方は本当にうらやましいです。
ひとまず、足切り回避には十分な勉強方法だったことが証明されたようです!…ちょっと意識低すぎ?
コメント