四日市市がJR四日市駅周辺に大学誘致を構想中

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現在暮らしている三重県四日市市や周辺の気になる情報も、ときどき発信していきます。

JR四日市駅の近くに大学を誘致する構想があるそうです。現時点の報道でわかっていることをまとめてみました。

大学誘致の報道経緯

最初の報道は2022年5月、中日新聞の以下の記事と思われます。市議会議員説明会で四日市市として大学を誘致する方針を表明したとのことです。いまいち元気のないJR四日市駅の活性化が目的でしょう。県立大学や国立大学といった大きな可能性も仄めかしています。

JR四日市駅周辺への大学設置を検討 四日市市:中日新聞Web
四日市市は二十三日、JR四日市駅周辺への大学の設置に向けた検討を始めると明らかにした。県が新設の是非を検討している県立大の誘致や、国立...

そして2023年1月、やはり市議会議員説明会にて、四日市市として「新年度にあるべき姿を定める基本構想を作成する」と表明。大学の誘致がいよいよ現実味を帯びてきたことになります。

新設大学の基本構想作成へ、四日市市の中央通り再編、市議会の議員説明会で市側が説明 | YOUよっかいち
近鉄四日市駅とJR四日市駅を結ぶ三重県四日市市の中央通り再編で、四日市市は1月20日、JR駅周辺に誘致する新設大学について、新年度にあるべき姿を定める基本構想を作成すると、市議会の議員説明会で説明した。新図書館整備の基本設計着手に向けた協

大学誘致の詳細

設置する大学の候補

前述した2023年1月の報道を抜粋すると以下の通りです。

市側は、大学設置基準により、工学系学部(収容定員1000人)の場合、校地面積10000平方メートル、校舎面積約14000平方メートルが最低限必要と説明。暁学園(四日市大学、四日市看護医療大学)や三重大学から移転や一部機能の設置などで関心をもたれたという。三重県立大学構想については、県の方向性が決定されていないが動向に注視するとした。名古屋圏の私立大学の1校から「立地がよく、興味がある」の回答があり、意見交換を継続するという。

新設大学の基本構想作成へ、四日市市の中央通り再編、市議会の議員説明会で市側が説明―YOUよっかいち

まず注目は、国立の三重大学から関心をもたれているということ。三重大学は津市の江戸橋駅から徒歩圏内にキャンパスがありますが、より名古屋に近い都市として四日市市にも拠点が欲しいということでしょうか。全部移転は用地がさすがに足りないので、一部の学部の移転にとどまるでしょう。

また四日市大学・四日市看護医療大学は中心市街地からバスで30分~1時間ほどかかる場所にあり、鉄道駅前という立地は学生の志望者増加の面で魅力的でしょう。

名古屋圏の私立大学からも興味を持たれているということで、愛知県民が四日市市に通学し、そのまま繁華街で食事や買い物を楽しんでくれると、活性化にもつながりますね。

三重県立大学構想とは

三重県には、県立の総合大学がありません。過去に三重県立大学がありましたが、1972年に国立の三重大学に吸収される形で廃止されました。現在、県内高校卒業者の8割が県外へ進学している*1そうで、地域の課題を解決する存在としての大学を設置することにより、学びの選択肢拡大と県外流出の防止を目的に、県立の大学を設置する構想が立てられています。

前述した2023年1月の記事では、大学の設置に対して支援する基金の創設が文部科学省の考えとしてあると紹介されています。デジタルはIT関連、グリーンは脱炭素・SDGsに関する技術を指しているでしょう。したがって、情報系または化学系の学部を持つ大学を設置する際には重要な支援となりそうです。

また、文部科学省を訪問して市の意向を伝え、文科省から、デジタル・グリーンなどの成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向け、学部等の組織再編を支援する基金を創設する考えがあるとの説明を受けたという。

新設大学の基本構想作成へ、四日市市の中央通り再編、市議会の議員説明会で市側が説明―YOUよっかいち

*1 高等教育機関との連携 3(1)県立大学の設置の是非を検討するための有識者会議 報告書より

三重大学と連携協定を締結

2024年2月16日、四日市市と三重大学が連携協定を締結したとの報道が出ました。従来から言われている通り、工学系の学部を設置する想定のようです。

三重大学と四日市市が新教育研究拠点の検討で連携協定、JR四日市駅前の新大学設置計画にも大きく影響 | YOUよっかいち
三重県四日市市と国立大学法人三重大学は2月16日、三重大学がJR四日市駅前に新しい教育研究拠点を設置する検討に着手し、検討作業や協議に互いに協力する目的で連携協定を結んだ。市は、駅前に大学院を備えた理工学部系の新大学を設置しようとしており

三重大学はキャンパスが津市にあり、特に北勢地域(四日市市、桑名市)の三重県民にとってはあまり近くない立地です。三重大学は工学部の偏差値も高くなく、名古屋工業大学などに流れている可能性はありそうです。四日市駅にもキャンパスがあれば、北勢地域から多くの学生が集まると考えるのでしょう。

三重大学にバスで行ける津駅からのアクセスについては、伊勢鉄道線で40分ほどとやや遠くかつ本数が少ないので、津市民や松阪市民にとってはありがたくない話かもしれません。単なる大学というよりも、民間企業と積極的に共同研究するような独自性のある取り組みが必要かもしれませんね。

大学設置場所の候補は?

合わせて注目したいのが、収容定員1000人の場合、校地面積10000平方メートルが必要ということ。いくら元気のないJR四日市駅とはいえ、これほど広い土地を鉄道駅前で確保するのは大変そうです。候補地を勝手に予想してみます。

候補①本町の北西部分

JR四日市駅を中心とした周辺が本町(ほんまち)になります。このうち古くからの住宅や商店が広がるのは北西エリアです。

特に本町7には広大なコインパーキングと空き地があります。ここには明るい商店街がかつてあったのですが、あまりの老朽化により取り壊されました。気になる方は「三和商店街 四日市」で検索!

とはいえその土地だけではとても足りないので、もしこの場所としたら、再開発の名目で周辺の住宅や商店も市が買い取って大学の用地に充ててしまうくらいでしょうか。

駅の東西南北に広がる本町

本町7は駅の北側にあるが、大学の用地としては狭い

候補②新町

諏訪新道線を挟んで本町の北側にある新町も、古くからの住宅街で、住宅が密集しています。町全体で150m×250mほどあるので、もしこの一帯を再開発すれば大学も建てられるのではないでしょうか!?

…と書いてみたものの、現在お住まいの住民の方々からしたら「ふざけんな」という話ですね。個人の妄想なので許してください。

候補③貨物ターミナル

さて願望を込めた個人的な最大候補が、貨物ターミナルです。四日市駅はJR東海が管轄する旅客駅の東にJR貨物が管轄する貨物駅もあり、コンビナートからの石油化学製品や三岐線経由のセメントが頻繁に輸送されているのが特徴です。この貨物ターミナルは多くの留置線を備えており、全体ではかなりの面積となっています。大学を建てることも十分に可能でしょう。

JR四日市駅を跨ぐ自由通路を設置する計画もあるので、それが大学の敷地内に直結すれば、大学関係者にとっても大変便利なことでしょう。

四日市市がJR四日市駅・国道23号を越える自由通路の整備を計画中
JR四日市駅から国道23号まで越える自由通路の設置が計画されているようです。勝手に予想してみました。

もちろんコンビナート至近の重要な貨物ターミナルですので簡単に無くすわけにはいかないのですが、そこは四日市市が協力して移転してしまえばよいのです。そしてそのちょうどよい移転先が、ここからしばらく北、四日市駅と富田浜駅の中間あたりにあります。羽津古新田という農業用地が集積した場所です。過去にも移転が検討されたことがある場所で、その後もろもろあり事実上断念した状態になっていますが、この機会にもう一度検討してもらえないかと密かに期待しています。

実際に農作物が植えられた土地はまばらで、耕作放棄地とみられる区画も多い

貨物ターミナルの移転は、以下の記事でも取り上げています。霞ヶ浦緑地も近くなるし、ついでに旅客駅も作ればいいのに、なんて。

「JR関西線とJR四日市駅の高架化」を実現するためには何が必要なのか?
四日市市の中心市街地をさらに活性化させるために効果的な「JR関西線とJR四日市駅の高架化」と、その実現に向けた課題を簡単に考察します。

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