中央通りの東側延伸は本当に必要なのか?

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JR四日市駅を高架で越えて中央通りを東側に延伸する案がときどき出てきます。本当に延伸する必要があるのか考えてみます。

中央通りの東側延伸

東側延伸の概要

中央通り(都市計画道路3・1・1号四日市中央線)は、四日市市の中心市街地の中核である近鉄四日市駅を中心に東西に伸びる路線です。

西側は堀木日永線との交差点まで、東側は高浜昌栄線との交差点・JR四日市駅西側の駅前広場までとなっています。都市計画上、西側はさらに延伸する計画がありますが、東側は計画の通り開通済みという状況です。

この東側について、JR四日市駅をさらに越え、国道23号まで延伸しようという意見・要望が一部であります。

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延伸の理由

四日市市は湾港都市として工業的には非常に重要な四日市港を抱えていますが、観光資源としてはいまいち活かしきれていません。跳ね上げ式の道路橋・鉄道橋梁や倉庫群など見所はありますが、休日も人出はほとんどありません。

それらの観光資源自体が多くの人を集客できるほどの価値を持っているかは別に議論があると思いますが置いておくとして、人出を伸ばしきれない外部要因の一つとして交通インフラの貧弱さも挙げられています。

確かに近鉄四日市駅方面から四日市港エリアに行くにはJR四日市駅が障壁となっており、北か南に遠回りしていく必要があります。車で向かうにあたって心理的な障害となっているのは否めません。

これを解消するため、中央通りから高架でJR四日市駅を越え、東側の国道23号に接続する案が、自治体外から意見として挙げられています。

東側延伸の効果

国道23号接続の問題点

さて、中央通りを延伸する場合、終点は国道23号でよいのでしょうか?

国道23号は四日市市を南北に縦断する道路交通の大動脈の一つです。朝夕の通勤ラッシュ時を中心に一日中渋滞しています。仮に中央通りの終点が国道23号となった場合、交差点がさらに増えることになり、また左折や右折で国道23号に流入する車が交差点に滞留するため、国道23号の渋滞はさらに激しくなるのではないでしょうか?

案:国道164号への接続

個人的な意見としては、中央通りを延伸したら国道23号も高架で越えて交差点を作らないのが良いと思います。そしてさらに東で地上に降りて国道164号に接続させます。国道164号は4車線のうえ純粋な産業道路なので渋滞もありません。自家用車はもちろん、バスを四日市港まで走らせても定時性がある程度確保できるでしょう。しかも、中心市街地から港湾エリアへ通勤する人も、柳通りや諏訪新道のように踏切や国道23号を横断するよりも短時間で移動できるようになり、相応のメリットはあるはずです。

国道23号を越えるというのは産業上のメリットを捨てているように見えるので、国としてはにわかに考えない案だと思いますが、国道23号に接続する東西路線がすでに複数存在する以上、客観的には立体交差のデメリットよりメリットのほうが上回っている気がします。

柳通りとJR関西線の立体交差

ただし、国道23号接続はもちろん、国道164号接続だと高架の距離がさらに長く、莫大な事業費が想定されます。そこまでして四日市港エリアへのアクセスを良くする必要性があるのかというと…。

そもそも中央通りを延伸する必要は本当にあるのでしょうか

というのも、JR四日市駅を跨ぐ東西自由通路は計画が承認に向かっており、歩行者はそこを通ればほぼ直線で四日市港エリアに移動できます。車ではJR四日市駅の北か南に迂回する必要があると先に述べましたが、迂回したところで距離だけ見れば大した追加にはなりません。

車で北から迂回していく場合に、距離以上に時間がかかる理由は、JR関西線の踏切待ちによる渋滞です。駅が近いので列車の速度が遅く、また貨物列車もよく通るので、踏切の遮断時間が長いのです。

ならば、この踏切待ちをゼロにするために、柳通りを高架にして立体交差とすればよいのです。既存の道路の高架化なら、高架道路の新設よりも事業費や工期は有利でしょう。もともと4車線用の幅が確保されている柳通りなので、地上道路を残しながら高架を建設する難易度も比較的低いはずです。高架化により自家用車だけでなく路線バスを新たに通すメリットも出てきます。

現在の都市計画ではすでに、柳通りは高架でJR関西線と立体交差する計画となっているので、四日市市にはぜひ優先順位を考慮しながら整備を進めてほしいと考えます。

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まとめ

これまで紹介してきた案を表にまとめました。事業費はわかりやすく3段階に分けて記載しましたが、国道23号延伸と国道164号延伸はあまり変わらず、それらよりも柳通りの高架化はグッと抑えられるはずです。何より、柳通りの高架化は四日市港エリアの利便性向上のほかにもメリットが大きいため、早期の整備に期待したいところです。

国道23号まで延伸国道164号まで延伸柳通りとJR関西線の立体交差
四日市港への車のアクセス
四日市港への歩行者のアクセス○ ※
国道23号の渋滞
事業費

※中央通りが延伸しない場合も、東西自由通路を通行することで歩行者のアクセスは向上する予定

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